香港、街歩きのすすめ
香港の街歩きで見つける、魅力あふれるローカルの顔
ヴィクトリア・ピーク、中環、コーズウェイベイ、スタンレー――
香港を訪れる多くの旅行者にとって、思い浮かぶのはこのような有名な観光地かもしれません。もちろん、どれも訪れる価値のある名所ですが、もし人とは少し違った体験をお求めであれば、まだ知られていない魅力的な一面が、80平方キロメートル以上に広がる香港島に待っています。
高層ビルが立ち並ぶ活気あふれる街並みから、未開発の海岸線に点在する趣ある村々まで、世界トップクラスの公共交通機関によって快適にアクセス可能です。思わぬ出会いが待つ、個性豊かなエリアを巡ってみてはいかがでしょうか。
こちらのガイドでは、香港特別行政区の中でも、今もっとも注目を集めている5つのエリアをご紹介いたします。次回のご滞在時には、ぜひ“街から街へ”と巡る、あなただけの香港旅をお楽しみください。
ヴィクトリア・ピーク、中環、コーズウェイベイ、スタンレー――
香港を訪れる多くの旅行者にとって、思い浮かぶのはこのような有名な観光地かもしれません。もちろん、どれも訪れる価値のある名所ですが、もし人とは少し違った体験をお求めであれば、まだ知られていない魅力的な一面が、80平方キロメートル以上に広がる香港島に待っています。
高層ビルが立ち並ぶ活気あふれる街並みから、未開発の海岸線に点在する趣ある村々まで、世界トップクラスの公共交通機関によって快適にアクセス可能です。思わぬ出会いが待つ、個性豊かなエリアを巡ってみてはいかがでしょうか。
こちらのガイドでは、香港特別行政区の中でも、今もっとも注目を集めている5つのエリアをご紹介いたします。次回のご滞在時には、ぜひ“街から街へ”と巡る、あなただけの香港旅をお楽しみください。
ケネディ・タウン|海風が心地よい、ゆったりとした港街
香港島の西端に位置するケネディ・タウンは、落ち着いた雰囲気が魅力の海辺のエリアです。公共交通機関であるMTR(地下鉄)で気軽にアクセスでき、香港では珍しい遮るもののない海の眺望を誇ります。高層マンションが建ち並ぶ一方で、広々とした公園や公共プール、子ども向けプレイゾーンを備えたショッピングモールも整備されており、家族連れにも人気のエリアとなっています。
近年、上環や西営盤といった近隣エリアで進んできた再開発の波は、ケネディ・タウンにも徐々に広がりを見せていますが、その進行はより穏やかで控えめです。近年オープンした飲食店は、気取らずに上質なひとときを楽しめる、地域密着型のスポットが中心。たとえばニュー・プラヤにある「Quay West」は、クラフトビールやカクテル、定番のパブ料理と共に、ビクトリア・ハーバーや九龍の山並み、沖合に浮かぶ島々を一望できる絶好のロケーションで親しまれています。
また、キャッチック・ストリートの「Jaspa’s」は、控えめながら洗練されたカジュアルダイニングとして人気。デイビス・ストリートには、イギリス風パブの老舗「Old China Hand」の新店舗も登場し、いずれも潮の香りを感じながらくつろげる心地よいスポットです。
上環|歩いて感じる、街の鼓動
セントラルの百貨店や高級レストラン、バーから程近いにもかかわらず、上環は今なお強いローカル色を残す街です。立地の良さと比較的手ごろな家賃に惹かれ、在住外国人も徐々に増えてはいるものの、街の素朴な個性は失われていません。
無数の短い通りと細い路地、そして急な階段に囲まれた小さなブロックで構成された上環は、徒歩での散策が最も魅力的な楽しみ方です。北端にある上環駅は埋立地の上に建てられており、駅を出て南へ歩けば、すぐに平坦な地形から傾斜のある街並みへと変わっていきます。
盆南街(Bonham Strand)やジャーヴォイス・ストリート(Jervois Street)といった低地の通りには、近年オーガニックやシングルオリジン、フェアトレードの豆を扱うカフェ文化が根付き始めています。たとえば「Dandy’s Organic Cafe」や「The Green Lounge」、「Barista Jam」など、こだわりのコーヒーと共に静かな時間を提供するこれらのカフェは、大手チェーンが席巻する香港において、コーヒー通たちにとって心地よい変化をもたらしています。
歴史と知の香りが漂う、ハリウッド・ロード
「値段を尋ねなければならないようなら、恐らく手が届かないだろう」──そんな格言が頭をよぎるようなハリウッド・ロードの骨董品店の数々。その中で、最も存在感を放つ「古美術品」は、実はお寺かもしれません。1847年に建てられた**文武廟(Man Mo Temple)**は、かつて科挙合格を願う学者たちが神に祈りを捧げた場所。今でも人々はここに足を運び、静かに幸運を祈願します。天井から吊るされた巨大な線香がゆっくりと煙をくゆらせ、喧騒を忘れさせる静謐な空間が広がります。
文武廟のすぐ向かいにあるのが、ハリウッド・ロードでもひときわユニークな書店、Indosiam Rare Booksです。17世紀に遡る中国や東南アジアに関する貴重書籍や古地図、ポスターが所狭しと並ぶこの店には、アジアに拠点を置く外国人や稀覯本収集家に加え、自分のルーツを探求しようとする若い香港人の姿も見られます。
西營盤(Sai Ying Pun)——未来へ進化する街並み
香港の不動産市場において、公共交通機関へのアクセスは最重要とされます。今年、新たに開通したMTR(地下鉄)西部線によって、香港島西側の三つの地域が鉄道網に組み込まれ、そのうちの一つ、西營盤ではすでに変化の兆しが見られます。
上環の西に位置し、南に香港大学(HKU)、北にはビクトリア・ハーバーを臨む西營盤。この街にはどこか海の香りが漂っています。それは港に隣接しているという理由だけではありません。
西營盤の個性は、その香りだけでは語り尽くせません。1904年から運行されているトラムの鐘の音が、かつての時代を思い起こさせてくれます。現在ではMTRが主流となっているものの、トラムは今もなお「最も安価で最も遅い」移動手段として親しまれています。そのゆったりとしたスピード感は、せわしない都市生活の中にある穏やかな時間を象徴しており、歴史を肌で感じたい旅行者にはぜひ一度乗車をおすすめしたい体験です。
一歩坂を上がると、時代を遡るような体験が待っています。
蓮香居(Lin Heung Ku)は、いかにも香港らしい老舗の茶楼。広州で1889年に創業し、1926年に香港で最初の2店舗を開業しました。現在の中環(Central)支店では、店内には大声の会話と皿がぶつかる音が響き渡り、活気あふれる雰囲気が広がっています。蒸し上がった点心を載せたワゴンから立ち上る香りが食欲をそそりますが、常に混雑しているため、その賑わいに慣れるには少し時間がかかるかもしれません。
「西營盤は、香港の『古き良き』と『新しきトレンド』、インターナショナルな雰囲気と中国的な文化が一番良いバランスで共存している場所だと思います」と語るのは、香港大学で教鞭を執り、この街に2年間住んでいるマイク・デニソン氏。「ここには何でも少しずつあるんです。」
その言葉を裏付けるように、蓮香居への道中では、トレンドを牽引するレストラン「Ho Lee Fook」や、パリのビストロを思わせる「Metropolitain」、オーガニック食材のグロサリー兼レストラン「Locofama」、フィットネス愛好者に人気の「CrossFit Typhoon」、そして世界初を謳う実店舗型ビットコイン取引所「ANXBTC」などが軒を連ねます。
石澳(Shek O)
ビーチヴィレッジで叶える静かな逃避行
香港の北側は高層ビルが立ち並ぶコンクリートジャングルに覆われていますが、南側に目を向ければ、まったく異なる景色が広がっています。香港のビーチはあまり観光の目玉として取り上げられることはありませんが、色彩豊かな海辺の集落・石澳(Shek O)は、緑豊かな山々と美しい湾に囲まれた場所で、訪れる価値のあるスポットです。
バスが定期的に走っていることを除けば、石澳に都会の気配はほとんどありません。むしろ、そうした“何もなさ”こそが、ここに住む増え続ける外国人居住者にとって最大の魅力です。この地にはスーパーマーケットもATMもミシュラン星付きのレストランもショッピングモールもありません。
あるのは、外界から隔てられた小さくも温かなコミュニティ。そこに住む人々は、自分たちの生活を気に入っており、時には都市から訪れる人々ともこの場所を気持ちよくシェアしています。
暖かい季節になると、多くのビジターが週末に石澳を訪れ、2つのビーチのうち大きい方の「フロントビーチ」で海遊びを楽しみます。一方、平日には住民たちがこのフロントビーチと、もう一つの小さな「バックビーチ」を独り占めしています。
香港の個性豊かな街並みを存分に巡ったあとは、香港百乐酒店で心安らぐひとときをお過ごしください。尖沙咀の中心に位置する当ホテルは、洗練された客室と充実した設備を備え、都市の活気に包まれながらも静けさを感じられる理想的な滞在先です。
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Photo credits (Top to bottom): PROMark Lehmkuhler, Forz (Wikipedia), doctorho, tommy@chau, Chelsea Marie Hicks, Clotee Pridgen Allochuku, David Law